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二流の人がやってしまいがちな、部下の相談への対応

AI時代のリーダーの原則②

■部下育成力~能あるリーダーは爪を隠す

部下の相談になんでもかんでも答えていませんか?
(写真:フォトライブラリー)

 メンバーとリーダーの違いは何か? それは力のコントロールと焦点の当て方です。

 メンバーの頃は、与えられた個人目標を達成する為に限界までパワーを出して業務遂行することが求められますし、その結果、自身の能力もさらに伸びていきます。

 一方でリーダーは、できることをあえてしないということも求められます。

 つまり、出せる能力をコントロールすることが必要なのです。理由は、リーダーがすべてやっていると、部下の成長が望めないからです。 

 リーダーがすべて判断し指示を出すと、部下は考えなくなります。考えなくなると、考える力が減ってしまいます。

 だからリーダーは自身でできるとしても、あえてしないことが求められるのです。

 リーダーになると自身の能力や成績よりも、チーム全体の総合力をどのように上げるのか? を考えなければなりません。 

 焦点は自分の成長ではなく、部下の成長に変化するのです。

 部下を育てるのに、勉強会をしたり研修をする、と答えるリーダーもいます。

 しかし、その多くは成長につながりません。なぜなら部下の成長の7割は経験だからです。経験とは実際にやらせてみること。特に成長につながるのは、失敗する経験だと言われています。

 部下の相談に完璧な答えを出す上司は二流です。一流の上司は、部下に考えさせる余地を必ず作るのです。

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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